相続放棄と老人ホームへの対応に関するQ&A
Q相続放棄をする場合、老人ホームへの費用を支払ってはいけませんか?
A
相続放棄をしますと、借金や未払い費用などの亡くなられた方の債務の一切を引き継がなくて済むことになります。
老人ホームの入居費や利用料等も亡くなられた方の債務ですので、相続放棄をすると支払う必要がなくなります(但し、相続人が連帯保証人等になっている場合、相続人自身が債務者になっている場合は除きます。)。
もっとも、お世話になった老人ホームに入居費は払いたいという場合もあります。
このような場合、亡くなられた方の財産から支払いをしてしまうことが最も避けるべき方法になります。
亡くなられた方の財産から支払いをしてしまうと、「相続人が相続財産の全部、または一部を処分した」とみなされ相続放棄が認められない可能性が出てきてしまいます。
もし、どうしても支払う必要がある場合には、弁護士等の専門家と相談したうえで、相続人自身の財産から支払うことが考えられます。
Q老人ホームから連絡が来た場合、どうしたらいいですか?
A
相続放棄を予定している場合、その旨を老人ホームの担当者にそのまま伝えた方がトラブル回避につながりやすくなります。
老人ホームの特質上、入居者が亡くなる場面に直面することは少なからずあり、相続人が相続放棄をする場面に出くわすことも一般の会社等と比べると多い傾向にあります。
そのため、相続放棄についてある程度理解している担当者もいらっしゃるので、相続放棄手続きを予定していることを伝えることにより、老人ホーム側からの要望等を回避しやすくなります。
また、老人ホーム側としても、相続人が相続放棄を予定していることがわかれば、それを踏まえた次の行動に移れますので、理由が明確であるほうが望ましいといえます。
Q老人ホームにある両親の私物はどうしたらいいですか?
A
相続放棄を予定している場合、亡くなられた両親の私物を処分することについても注意が必要です。
「相続人が相続財産の全部、または一部を処分した」とみなされ相続放棄が認められなくなるリスクがあるからです。
亡くなった両親の私物の中でも、明らかに財産的な価値がない物(使いかけのポケットティッシュや飲みかけのドリンク等)については、基本的に相続人が処分したとしても基本的に問題はありません。
一方で、財産的な価値があるかもしれない物は、相続放棄を予定している相続人が処分をすることは危険です。
相続放棄をしない相続人がいるのであれば、その相続人に処分を委ねることが安全です。
また、相続財産管理人を選任する場合であれば、相続財産管理人へ引き継げば足りることになります。
他にも、老人ホームによっては施設の入居契約書に「退去時に老人ホームが残置している私物を処分できる」と規定していることもありますので、老人ホーム側に処分を委ねることができることもあります。
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